この前の飲み会で思い出した話
2006年9月8日コメント (2)それはつい最近まで忘れていた事だったのだが、思い出したきっかけは何のことはない、ごく普通の飲み会での一場面だった。
ごく親しいメンバーでの飲み会だったのでいつもよりすいすいとアルコールが進み、いい気分になって盛り上がったところで、取りとめもなく夏だからと言う理由でオカルトチックな話になった。怖い話から始まり、最近読んだ不思議体験とかいう題名の本の内容に話が移ったあたりで、その中の一人がふと皆に問いかけたのだ。その本は霊的な体験談を集めた本だったので、こう問いかけるのはごく自然な流れだったのかもしれない。
おい、この中にそんな不思議な体験をしたことがあるやつっているか?
そこにいる人たちの中には残念ながら霊感を持った人はいなかった。私ももちろん霊感を持たないうちの一人だったのだが、心当たりがないわけではなかったので、ちょっとした昔話をすることにした。
私には霊感はない話は先ほどしたが、どうやら私の弟は霊感のようなものを持っているようだった。だが当時はもちろんそんなことは分からず、ただの怖がりなちっちゃい奴と自分の目には映っていた。ちなみにその怖がりな性格を利用して夜に玄関の鍵を閉める係を押し付けていたのは内緒だ。あの時怖がっていたのはその霊感のせいなのか、と軽い気持ちで聞いたことはあるが、笑って流されたし、いまさら問いただす物でもないと思うから、本当に霊感があるのかどうかまではこの際伏せておこうと思う。
とくに取り留めて話すようなことがないはずの普通の日。後から思えば不思議だったことが分かるのだが、その当日は本当に普通の日だとそう思ったのだ。
今日、おばあちゃんが来たよね。
朝起きるなり弟が話した第一声は、夢の話だろうと思わせるに十分な内容だった。私の家と祖母の家は車で2時間もの距離があり、加えて最近足腰が弱くなっていたので、もう数年も私の家に来る事がなかったからだ。もちろん大体2ヶ月くらいに1度はこちらから遊びに行っている。この前行ったのは、確か正月だ。まだ1ヶ月も経っていない。
私はからかうつもりでどこから家に入ってきたのか。入ってきて何をしていたのか聞いた。だが弟は夢にしては、やけに具体的に説明するのだった。窓から入ってきた事。自分(弟)の横を通り過ぎて母親の前に立った事。また、私にも声をかけていたけど、気が付いていなかった事。など、それこそ、まるで見ていたかのように。でも私はまだ大事な事に気が付いておらず、そうか、寝てたからな。などと答えていたと思う。
その話を忘れた頃、また祖母の家に遊びに行く機会が訪れた。私と弟は祖母と話をした後、近くの公園に遊びに行った。近くといっても子供の足で15分はかかる場所にあるから、当時の感覚からすれば一日がかりの冒険気分だった。公園と言うには語弊があるかも知れない。舗装された場所はなく、切り株のベンチとか風雨にさらされた東屋なんかがある、池を中心にした広場といった方がいいのかもしれない。その池にひょうたん型の島が浮かんでおり、倒れた木を辿って渡らなければならないため、弟をからかう絶好の遊び場でもあるのだ。
…っと、もっとこの公園のよさを紹介したいところではあるのだが、今回の話とはあまり関係がないので割愛する事にしたいと思う。その自分と弟がいない間の時間に祖母と母がこんな話をしていたらしいのだ。
この間、○○の△△さんが死んだんだと。で、急にみんなの事が心配になってないろいろ回ってきたよ。お前の家にも行ったんだぞ。玄関に鍵がかかっていたから窓から入ってさ。お前の近くに行ったのにぜんぜん気が付かないんだもんな。心(私の事だ)にも声をかけたのにぜんぜん気が付かないし。
母親はその直後はどこに回っていたのか、疲れなかったかなどを聞いていたらしいが、やがてふと思い出したようで弟のいない時に自分だけに話してくれた。ひょっとして、と。
祖母が死ぬ、3ヶ月前の出来事だった。
この話はフィクションです。実在する人物、団体とは一切関係がありません。
ごく親しいメンバーでの飲み会だったのでいつもよりすいすいとアルコールが進み、いい気分になって盛り上がったところで、取りとめもなく夏だからと言う理由でオカルトチックな話になった。怖い話から始まり、最近読んだ不思議体験とかいう題名の本の内容に話が移ったあたりで、その中の一人がふと皆に問いかけたのだ。その本は霊的な体験談を集めた本だったので、こう問いかけるのはごく自然な流れだったのかもしれない。
おい、この中にそんな不思議な体験をしたことがあるやつっているか?
そこにいる人たちの中には残念ながら霊感を持った人はいなかった。私ももちろん霊感を持たないうちの一人だったのだが、心当たりがないわけではなかったので、ちょっとした昔話をすることにした。
私には霊感はない話は先ほどしたが、どうやら私の弟は霊感のようなものを持っているようだった。だが当時はもちろんそんなことは分からず、ただの怖がりなちっちゃい奴と自分の目には映っていた。ちなみにその怖がりな性格を利用して夜に玄関の鍵を閉める係を押し付けていたのは内緒だ。あの時怖がっていたのはその霊感のせいなのか、と軽い気持ちで聞いたことはあるが、笑って流されたし、いまさら問いただす物でもないと思うから、本当に霊感があるのかどうかまではこの際伏せておこうと思う。
とくに取り留めて話すようなことがないはずの普通の日。後から思えば不思議だったことが分かるのだが、その当日は本当に普通の日だとそう思ったのだ。
今日、おばあちゃんが来たよね。
朝起きるなり弟が話した第一声は、夢の話だろうと思わせるに十分な内容だった。私の家と祖母の家は車で2時間もの距離があり、加えて最近足腰が弱くなっていたので、もう数年も私の家に来る事がなかったからだ。もちろん大体2ヶ月くらいに1度はこちらから遊びに行っている。この前行ったのは、確か正月だ。まだ1ヶ月も経っていない。
私はからかうつもりでどこから家に入ってきたのか。入ってきて何をしていたのか聞いた。だが弟は夢にしては、やけに具体的に説明するのだった。窓から入ってきた事。自分(弟)の横を通り過ぎて母親の前に立った事。また、私にも声をかけていたけど、気が付いていなかった事。など、それこそ、まるで見ていたかのように。でも私はまだ大事な事に気が付いておらず、そうか、寝てたからな。などと答えていたと思う。
その話を忘れた頃、また祖母の家に遊びに行く機会が訪れた。私と弟は祖母と話をした後、近くの公園に遊びに行った。近くといっても子供の足で15分はかかる場所にあるから、当時の感覚からすれば一日がかりの冒険気分だった。公園と言うには語弊があるかも知れない。舗装された場所はなく、切り株のベンチとか風雨にさらされた東屋なんかがある、池を中心にした広場といった方がいいのかもしれない。その池にひょうたん型の島が浮かんでおり、倒れた木を辿って渡らなければならないため、弟をからかう絶好の遊び場でもあるのだ。
…っと、もっとこの公園のよさを紹介したいところではあるのだが、今回の話とはあまり関係がないので割愛する事にしたいと思う。その自分と弟がいない間の時間に祖母と母がこんな話をしていたらしいのだ。
この間、○○の△△さんが死んだんだと。で、急にみんなの事が心配になってないろいろ回ってきたよ。お前の家にも行ったんだぞ。玄関に鍵がかかっていたから窓から入ってさ。お前の近くに行ったのにぜんぜん気が付かないんだもんな。心(私の事だ)にも声をかけたのにぜんぜん気が付かないし。
母親はその直後はどこに回っていたのか、疲れなかったかなどを聞いていたらしいが、やがてふと思い出したようで弟のいない時に自分だけに話してくれた。ひょっとして、と。
祖母が死ぬ、3ヶ月前の出来事だった。
この話はフィクションです。実在する人物、団体とは一切関係がありません。
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